2012年 02月 09日
家なき娘(エクトル・マロ)
私や子供達が読んだのは、子供向きにダイジェストした本でした。原作に忠実に翻訳した物としては、津田謙訳の岩波文庫のものが唯一のもののようです。1941年11月初版ですから、太平洋戦争が始まる直前に発行された物で、私はまだ生まれていません。
旧仮名使いの文章で、少し読みにくさはありますが、読んでるうちに気にならなくなります。内容は決して子供向きの本ではありません。親切な人もいれば悪い人もいる社会の様子や、細かい心理描写も書かれています。もちろん主人公ペリーヌの聡明さ意志の強さも詳しく書かれていますが、それだけではなく、当時の劣悪な労働環境を改善する必要性をを書いた啓蒙的な物語でもあります。
アニメを視ても、本を読んでも、最後には目頭が熱くなります。
2月12日
この作品の完訳の物は、二宮フサ訳の偕成社出版が有るようです。
中学生の頃すでにこういうアニメに興味を失っていたはずなのですが、見たがる弟の影響で見ていた番組の原作ですね。
興味をもって図書館で探して読んだ「家なき娘」とは違うものなのでしょうね。
最近キリスト教に触れる機会が増えてます。
この物語の示唆するものがキリスト教的なものだったように思い出しました。
多分、この岩波文庫を読まれたのではないかと思います。戦後も何回か再版されています。