2007年 11月 29日
人工多機能性幹細胞(iPS細胞)
山中教授らの方法では、皮膚の細胞に4個の遺伝子を組み込む事によって、幹細胞を作ることが出来るます。従来の杯性幹細胞に比べて倫理的な問題が無いということで、ローマ法王庁やブッシュ・アメリカ大統領も大歓迎の声明を出しているようです。
確かに、すでに生命が宿っていると考えられる受精卵から作る杯性幹細胞(ES細胞)に比べて
人工多機能性幹細胞は倫理的な問題は少ないもと考えられますが、ゼロではないと思います。
クローン羊を作ることに成功した イアン・ウィルムット博士もクローン杯の研究はもう行わないとの声明を出しておられるようですが。iPS細胞を使用して人間のクローンを作ろうとしているのであれば問題です。羊で成功しているのですから、人間のクローンを作ることは比較的簡単だと思います。
SF小説に良く登場する、クローンの人間を臓器移植のために作ろうとする考える人や企業が現れる可能性もあります。クローン人間は同じ人間なのですから許されることでは無いと思います。
それに反して、このiPS細胞を使って必要な臓器だけを作り出すことはすぐには出来そうにありません。必要な臓器だけ作れるようになるのは何時の事でしょうか、私が生きている間は無理でしょうね。
日本の場合は、特殊な国民性により、死体臓器移植が進んでいません。臓器を提供する人にも、もらう人にも大変な精神的ストレスのかかる生体臓器移植が行われていますので、早くiPS細胞での臓器移植が出来る日が来ることが望まれます。
日本で死体臓器移植が出来ないのは、日本人独特の無宗教が原因と思います。生まれた後や七五三には神社へお宮参り。結婚式はホテルのチャペルでキリスト教、亡くなったときには和尚さんで仏式でお葬式。日本人の心の中にはやおろずの神とお釈迦様とキリスト様が仲良く同居しています。と言うことは、無宗教と言えます。
この始まりは、仏教が日本に入ってきたときに、聖徳太子が神仏混合を取り入れたことが原因とも言われていますので、聖徳太子の責任なのでしょうか。
此のiPS細胞の研究は、医学の歴史の中で、ジェンナーの種痘、無菌法と病原性微生物の発見、全身麻酔、抗生物質の発見、遺伝子治療等等に匹敵する素晴らしい業績であることに間違い有りません。